無料でどこまでできるか、実際に試しています

「長い記事を要約する」は無料でできるか

○ 無料でできる

できます。ただし4つとも、原文の具体的な数字をほとんど落としました。

編集部が実際に試して確認:2026-09-01

数万字の技術文書を、無料の4通りで要約させました。全部できましたが、4つとも同じ数字を落とし、上位モデルが良いとも限りませんでした。

確認日 2026-09-01 次回の確認 2026-10-01 使ったもの ChatGPT(無料) / Gemini(無料) / Claude 無料プラン(Sonnet 5) / Claude 無料プラン(Haiku)

長い記事を読む時間がないとき、AIに要約させたい。でも「無料でどこまで入るのか」「その要約は信用できるのか」は、やってみないと分かりません。

実際に試しました。

何を試したか

素材は、OpenAIが2026年8月26日に公開した「Hugging Face のインシデントと今後の道筋」の日本語版です。数万字あり、公式サイトの音声版で35分の長さがあります。

これをページごと全選択してコピーし、4通りに同じ指示で投げました。すべて無料の範囲です。

  • ChatGPT(無料)
  • Gemini(無料)
  • Claude 無料プラン(Sonnet 5)
  • Claude 無料プラン(Haiku)
この記事を、日本語で800字くらいに要約してください。

判定の前に、原文はこちらで最後まで読んでいます。要約が合っているかを照合するためです。

無料でどこまでできたか

4通りとも、一度で最後まで処理しました。

所要時間分割制限の表示
ChatGPT約7秒不要なし
Gemini約10秒不要なし
Claude(Sonnet 5)約20秒不要なし
Claude(Haiku)計測せず不要なし

「長すぎます」と言われることも、途中で切られることもありませんでした。無料枠の回数制限にも当たっていません。

貼り付けたときの見た目だけ違いました。**ChatGPT と Claude は、長い文章を貼ると自動的に「PASTED」という添付ファイルの形にまとめます。**チャット欄に本文が流れ込まないので、すっきりします。Gemini はそのまま本文として入りました。動作に違いはありません。

どこで詰まったか

**詰まりませんでした。**上限にも回数制限にも当たっていません。

そのかわり、別の問題が2つ見つかりました。

出てきたものは正しかったか

原文と1つずつ照合しました。数字・日付・固有名詞に印をつけて、原文で検索する方法です。

作り話は、4つとも1件もありませんでした

原文に書かれていないことを書いた箇所は、**4つとも見つかりませんでした。**日付、モデル名、サービス名、いずれも原文どおりです。「被害額」のような、それらしいが存在しない数字も出てきませんでした。

無料の範囲でも、事実をでっち上げることはなかった、というのが今回の結果です。

問題1 4つとも、同じ数字を落としました

原文には、記事の説得力を支えている具体的な数字がいくつもあります。そのすべてが、4つとも要約に入りませんでした。

原文にある数字4通りの結果
評価タスク898件のうち198件が未解決だった全滅
公開されていた認証情報14件が使われた全滅
本番向けの設定なら侵害の傾向が100分の1未満に下がる全滅
外部2機関が独立した報告書を出している全滅

要約としては筋が通っているのに、**「なぜそう言えるのか」を支える数字だけが抜け落ちます。**読んだ人は「そういうことがあったらしい」までは分かりますが、原文を読んだ人と同じ判断はできません。

問題2 上位モデルのほうが良い、とは限りませんでした

同じ Claude で、Sonnet 5 と Haiku を比べたときが一番はっきりしました。

**原文は、今回の原因を4つに分類しています。**それを正確に挙げられたかどうか。

原因の4分類
ChatGPT4つとも正確
Claude(Haiku)4つとも正確
Gemini3つは正確、4つ目を別の項目に差し替え
Claude(Sonnet 5)3つに縮めた

上位モデルの Sonnet 5 が3つに縮め、下位の Haiku が4つ挙げました。

逆のことも起きています。Sonnet 5 は、Haiku が落とした細部を拾っていました。

原文の要素拾ったもの
侵入の手口(SSRF)Sonnet 5 のみ
監視があれば30時間以上前に気づけたSonnet 5 のみ
記事の公開日(8月26日)Sonnet 5 のみ
侵入された外部サービスがもう1つあった(Modal)Gemini のみ
異常が検知された日(7月19日)ChatGPT と Gemini

どれか1つが優れているというより、落とす場所が違います。「賢いモデルを使えば安心」とは言えませんでした。

有料にすると何が変わるか

**今回は確認していません。**無料の範囲で目的を達成できてしまったため、有料プランを試す理由がありませんでした。

分量がもっと増えたとき(本1冊など)に無料の上限に当たるのかは、あらためて試して追記します。

まとめ

**数万字の日本語の記事を要約するだけなら、無料で足ります。**4通りとも10〜20秒で終わり、制限にも当たりませんでした。

ただし、**要約をそのまま人に見せたり、記事に引用したりするのは勧めません。**事実は正確でしたが、根拠になる数字がほぼ全部落ちるためです。

使いどころは「読むかどうかを決めるため」だと思います。要約を読んで、大事そうだと思ったら原文を開く。その判断には十分な精度がありました。

数字が必要な場面では、原文に戻って自分で拾うことになります。そこは省けません。

もう1つ。**複数のAIに同じ記事を投げると、落とした部分が見えます。**1つだけが書いていることは、他が落とした重要な点か、そのモデルが余計に拾った枝葉かのどちらかです。時間があるなら2つに投げて見比べるほうが、賢いモデル1つに任せるより確実でした。


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